『神州の守護』

 大阪護国神社の境内地で行われた阿含宗南関西支部による柴燈護摩法要にお参りしました。

 ついつい平和な日常を過ごしておりますと、祖国日本に命を捧げられて護られた御英霊や、戦災で犠牲になられた方々の存在を忘れがちになります。そういう方々の犠牲の上に、平和に暮らしていることを忘れないように、感謝の祈りを捧げました。

 神社の社頭には、次のような御英霊の言の葉掲示されていました。

遺書 海軍大尉 田結 保

昭和19年10月25日 フィリピン東方海面にて戦死

岐阜県出身 22歳

 二十有二年の歳月不孝の数々を尽しお許し下され度く候

 保今回の事本より武人の習此の上の栄誉無之 死して太平洋上の鬼神となり永遠に神州の守護をなす 之に勝る本懐の事亦あるまじく候

 御両親にも保の戦死を聞き召されなばよくぞとこそおほめ下され度く候

 顧るに保の生涯は誠に有難き事の連続にて先づ奇しくも此の神州に而かも過去に三千年将来に無窮なる歴史上人の本懐たる盛大に生を享け父上様母上様はじめ師友の御恩愛一つとして至らざること無く文字通り恙なく今日に至り 武人として死しては魂魄を永遠に祖国に残し得ることの有難さ 誠に之に過ぐる喜び又となく 其上皆様の御指導により存命中自ら満足し 再び考ふるも悔なき生を送り得たること真に感謝惜く能はざる所に候

 父上様母上様 新しく発足せんとするに当り 何の御恩報じも之出来ざりしお詫と 永年御鴻恩に対する御礼とを以て 最後のお便りと致し候

 願くは 御両親様はじめ皆々様 末永くお健やかに幸多き日々を送らるることを祈上候

         海軍中尉 田結 保

 御両親様

 あだなみをしづめしあとのうなばらに

  阿がこころたてばさやけくもあり

 『死して太平洋上の鬼神となり永遠に神州の守護をなす』御英霊は、今の祖国をどのように見守っておられるでしょうか。