2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

瞑想と空の理を体得する道

「アーラヤ識」という意識できない深層の心の作用を考え出した理由 唯識学派が、自分では気づかない心の働きをアーラヤ識として考え出したのは、どういう理由からでしょうか? 「瑜伽師地論」に次の八つの理由が説かれているといいます。 (1)個人存在の感…

自分を超越していく

西洋の小話にこういうものがあるそうです。 男の一生には三つの時代がある。 サンタクロースを信じている時代、 サンタクロースを信じなくなった時代、 そして、サンタクロースになる時代だ。 妄信したり、その反対に、無神論に走ったりして、数々の過ちを経…

自我意識と個体の維持

表層と深層の絡み合い 唯識は、人間の心を、表層の心と深層の心が重なり合っていると考えます。 唯識の考える心の構造 日常生活で意識できる表層の心 「前五識」とは、五官による感覚作用です。 「第六識」とは、意識のことで、推理、判断、想像、洞察などの…

心の流れと認識

「唯識」について考えたいと思います。 人間の存在とは何でしょうか? それは、❝心の流れ❞です。 私たちの心は常に生じた瞬間に滅します。 滅した瞬間、また、次の瞬間の心と交替します。 これを繰り返して生滅します。 この、繰り返し生滅する心が一つの流…

解決への道

”ひきよせて むすべば柴の 庵にて 解くれば元の 野原なりけり” ここに庵があります。この庵は、山野の雑木が集められ、つなぎ合わされたものです。しかし、解体すれば、元の野原になるでしょう。「庵」は「有る」のでもなく、「無い」わけでもなく、「空」だ…

ガンジス河を渡るブッダ

ガンジス河を渡るブッダの旅 ・・・尊師はガンジス河におもむいた。そのときガンジス河は水が満ちていて、水が渡し場のところまで及んでいて、平らかであるから鳥でさえも水が飲めるほどであった。或る人々は舟を求めている。或る人々は(大きな)筏[いかだ]…

五根法:能力を発揮させる道

ブッダと神々の対話 第一章・第六節 覚醒している 傍らに立って、かの神は、尊師のもとで、この詩句をとなえた。 「〔他の〕ものどもがめざめているときに、幾つが眠っているのであろうか? 他のものどもが眠っているときに、幾つがめざめているのであろうか…

智慧の拡大

ブッダと神々の対話 第八章・第三節 財 〔神いわく、ー〕 「この世で、人にとって最上の財は、何であるか? 何を良く実行したならば、幸せをもたらすか? 実に諸々の飲料のうちですぐれて甘美なるものは、何であるか? どのように生きる人を、最上の生活と呼…

神霊冥助

ブッダ最後の旅(大パリニッバーナ経)にあった一節です。 「アーナンダよ、ここでわたしは、清らかな超人間的な天眼をもって、千もの多くの神霊たちがパータリ村に敷地を構えているのを見た。優勢な神霊たちが敷地を構えようとする地方には、優勢な国王また…

無貪(むどん)

〝【今月のメッセージ】〟 〝ベストがだめならベターでゆけ〟 〝【今月の大善地法】〟 〝無貪(むどん)〟 〝貪らないようにしましょう。〟 〝地位、権力、物質などに執着したりとらわれたりしないようにしましょう。〟 昨日、恵比寿大黒天まつりで引いたお…

十二支縁起の意味

ブッダの説かれた十二支縁起、十二因縁とは、自分にとって、どういう意義があるのか、考えを深めてまいりたいと思います。 人間は霊的存在で、渇愛(タンハー)を断たない限り、迷いの世界を輪廻して苦しみ続けると、根本仏教では説かれます。そして、苦しみ…

信解円通

清水俊史著『ブッダという男』(ちくま新書)を読んでいます。 ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) 作者:清水俊史 筑摩書房 Amazon 仏教の開祖・ブッダをどのようにとらえるか、私は、信仰の対象・御本尊として敬い、法身仏として礼拝供養す…

人間は霊的存在

生命現象を火にたとえて説くお経 ある日、ヴァッチャという出家が、ブッダのところへ来て、死後の問題について論じました。 「ゴータマさん、霊魂と肉体とは同じものですか?」 「かような問題には答えない。」 「それでは、霊魂と肉体とは別なものでしょう…

渇愛(タンハー)とは

キーワードの渇愛(タンハー) ブッダの教説で、キーワードになるのが「渇愛(タンハー)」という言葉です。 一切の法のために縛せられず、すべてを捨て、渇愛つきて解脱した。 ーーーーーーー ここに四つの真理がある。いわく、苦の真理、苦の集まりの真理…