仏教

『ラビ・ナフマンの瞑想のすすめ』

ブラツラヴのラビ・ナフマンはこのように言う。 失望するな。 落胆してはいけない。 もし、困難なときが来たら、 ただ喜ばなければならない。 ♫~ララ~イ、ララ、ライライ、ラ~イ~♪ 『ラビ・ナフマン』の歌より 瞑想と祈りによって人は誰でもあらゆること…

ウクライナにあるユダヤ教の聖地

ウクライナにあるユダヤ教の聖地 ウクライナに「ウマニ」という都市があり、ユダヤ教の聖地になっているところがあります。毎年、ユダヤ新年には、イスラエルをはじめ、世界中から、何万人ものユダヤ教の巡礼者が訪れています。 ウクライナは戦時下ですが、…

観法修行の落とし穴

アン字遍照 大日経に〝アン字観〟という行法が説かれています。 真言宗で〝阿字観〟という瞑想を教えていますが、その源流となっているものです。 百光遍照王真言 アン字を百字真言といい、経典に〝百光を発する〟と説かれているので、〝百光遍照王真言〟と…

4月8日

4月8日は、お釈迦さまの誕生を祝う日です。 そして、阿含宗立宗の日でもあります。 また、あまりよく知られていないようですが、サンパウロ市では、阿含宗開祖・桐山靖雄の日でもあります。 法恩感謝の祈りを捧げます。 2007 年 7 月 19 日法律第 14,485 号…

唯識観の瞑想

唯識観の瑜伽行に、奢摩他(しゃまた)・毘鉢舎那(びばしゃな)があります。 奢摩他(しゃまた)とは「止心(ししん)」と訳されています。心を止めるとあります。これは、外界の対象に向かう感覚器官を制御して、心のはたらきを静める行です。 毘鉢舎那(…

瞑想と空の理を体得する道

「アーラヤ識」という意識できない深層の心の作用を考え出した理由 唯識学派が、自分では気づかない心の働きをアーラヤ識として考え出したのは、どういう理由からでしょうか? 「瑜伽師地論」に次の八つの理由が説かれているといいます。 (1)個人存在の感…

自我意識と個体の維持

表層と深層の絡み合い 唯識は、人間の心を、表層の心と深層の心が重なり合っていると考えます。 唯識の考える心の構造 日常生活で意識できる表層の心 「前五識」とは、五官による感覚作用です。 「第六識」とは、意識のことで、推理、判断、想像、洞察などの…

心の流れと認識

「唯識」について考えたいと思います。 人間の存在とは何でしょうか? それは、❝心の流れ❞です。 私たちの心は常に生じた瞬間に滅します。 滅した瞬間、また、次の瞬間の心と交替します。 これを繰り返して生滅します。 この、繰り返し生滅する心が一つの流…

解決への道

”ひきよせて むすべば柴の 庵にて 解くれば元の 野原なりけり” ここに庵があります。この庵は、山野の雑木が集められ、つなぎ合わされたものです。しかし、解体すれば、元の野原になるでしょう。「庵」は「有る」のでもなく、「無い」わけでもなく、「空」だ…

ガンジス河を渡るブッダ

ガンジス河を渡るブッダの旅 ・・・尊師はガンジス河におもむいた。そのときガンジス河は水が満ちていて、水が渡し場のところまで及んでいて、平らかであるから鳥でさえも水が飲めるほどであった。或る人々は舟を求めている。或る人々は(大きな)筏[いかだ]…

五根法:能力を発揮させる道

ブッダと神々の対話 第一章・第六節 覚醒している 傍らに立って、かの神は、尊師のもとで、この詩句をとなえた。 「〔他の〕ものどもがめざめているときに、幾つが眠っているのであろうか? 他のものどもが眠っているときに、幾つがめざめているのであろうか…

智慧の拡大

ブッダと神々の対話 第八章・第三節 財 〔神いわく、ー〕 「この世で、人にとって最上の財は、何であるか? 何を良く実行したならば、幸せをもたらすか? 実に諸々の飲料のうちですぐれて甘美なるものは、何であるか? どのように生きる人を、最上の生活と呼…

神霊冥助

ブッダ最後の旅(大パリニッバーナ経)にあった一節です。 「アーナンダよ、ここでわたしは、清らかな超人間的な天眼をもって、千もの多くの神霊たちがパータリ村に敷地を構えているのを見た。優勢な神霊たちが敷地を構えようとする地方には、優勢な国王また…

無貪(むどん)

〝【今月のメッセージ】〟 〝ベストがだめならベターでゆけ〟 〝【今月の大善地法】〟 〝無貪(むどん)〟 〝貪らないようにしましょう。〟 〝地位、権力、物質などに執着したりとらわれたりしないようにしましょう。〟 昨日、恵比寿大黒天まつりで引いたお…

十二支縁起の意味

ブッダの説かれた十二支縁起、十二因縁とは、自分にとって、どういう意義があるのか、考えを深めてまいりたいと思います。 人間は霊的存在で、渇愛(タンハー)を断たない限り、迷いの世界を輪廻して苦しみ続けると、根本仏教では説かれます。そして、苦しみ…

信解円通

清水俊史著『ブッダという男』(ちくま新書)を読んでいます。 ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) 作者:清水俊史 筑摩書房 Amazon 仏教の開祖・ブッダをどのようにとらえるか、私は、信仰の対象・御本尊として敬い、法身仏として礼拝供養す…

人間は霊的存在

生命現象を火にたとえて説くお経 ある日、ヴァッチャという出家が、ブッダのところへ来て、死後の問題について論じました。 「ゴータマさん、霊魂と肉体とは同じものですか?」 「かような問題には答えない。」 「それでは、霊魂と肉体とは別なものでしょう…

渇愛(タンハー)とは

キーワードの渇愛(タンハー) ブッダの教説で、キーワードになるのが「渇愛(タンハー)」という言葉です。 一切の法のために縛せられず、すべてを捨て、渇愛つきて解脱した。 ーーーーーーー ここに四つの真理がある。いわく、苦の真理、苦の集まりの真理…

四諦の法門

ブッダが成道されたあと、最初に説法されたのが、「四諦の法門」だといわれています。 「惑・業・苦」のサイクルから抜け出す手段です。 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か― 作者:魚川 祐司 新潮社 Amazon ゴータマ・ブッダはこの四諦の説を初転法輪…

〝仮面を被った隷属〟ー惑業苦の輪廻

仏教の旗印 仏教でしか説かれない教えとして三つ、または四つの旗印があります。 諸行無常 諸法無我 涅槃寂静 この三つを「三法印」といい、その旗印に、「一切皆苦」をさらに加えて、「四法印」とすることもあります。 諸行無常、諸法無我、一切皆苦、涅槃…

無常・苦・無我

無常・苦・無我の三相 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か― 作者:魚川 祐司 新潮社 Amazon ゴータマ・ブッダの教説においては、およそ全ての現象が、無常・苦・無我という三つの性質を有するものとして語られる。これらはまとめて三相とも呼ばれるが、…

間脳思考

仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か― 作者:魚川 祐司 新潮社 Amazon 著者は、仏教を理解する上で、「絶対にごまかしてはならないこと」として、次のように述べています。 ゴータマ・ブッダの教えは、現代日本人である私たちにとっても、「人間として正…

仏教の「方向」

魚川祐司著『仏教思想のゼロポイント』(新潮社)を読んでいます。仏教を「わかりたい」読者に対して、「仏教とは結局何か」ということを統一的に理解できる筋道を提供するのが本書の目的とのことです。 自分の仏教観を整理する上で、同書と対話していきたい…

道行く人の安穏を祈る

違う信仰をしている方から、「阿含の星まつり」会場周辺の参道に立って参拝者をお出迎え、お見送りをする人の姿勢について、次のようなメールをいただきました。 〝道に立たれてる方々が沢山見えて、合掌していましたが、通過する車の交通安全を祈願してくだ…

阿含の星まつり

令和6年2月11日(日)、京都市山科区の北花山大峰の阿含宗本山境内地において「阿含の星まつり」が開催されます。 世界平和、家庭安穏を祈る奇蹟の祭典です。 一人一人の安穏、一件一件の家庭安穏が世界を平和に変えます。 不可能を可能にするために、奇蹟を…

栄養の摂り方は心の修行

今週のお題「元気を出す方法」 「不可能を可能にする」ほどの元気を出すには、どうしたら、いいでしょうか。 まず、栄養の摂り方から考えていきます。食べた物がよく消化され、脳を含む身体の栄養となるように、反対に、偏った食べ方で脳の栄養失調にならな…

不可能を可能と思う

前回の八正道についての自分の文章を読むと、頭から無理、できないと言って、やろうとしない心が垣間見えます。 頭から不可能と思えば、可能なことも不可能になってしまうでしょう。 私にとって、八正道は、仏教徒として、できるか、できないかの問題ではな…

八正道

ブッダとなられたゴータマは、鹿野園において五人の修行僧たちに成覚後、はじめて説法されました。「四聖諦」という四つの聖なる真理とともに「八正道」が説かれました。初転法輪(しょてんぽうりん)といわれる出来事です。 『実に「苦しみ」という聖なる真…

八聖道の構造

馬場紀寿著「初期仏教 ー ブッダの思想をたどる」(岩波新書)を読んでいます。 タイトルに「ブッダの思想をたどる」とありますので、ブッダはどういう修行法をお説きになられたのかという問いかけは、筋違いかな、と思いました。 しかし、「八聖道の構造」…

ブッダという男と初期仏教

小雪が舞う中、京都の寺町通りにある仏教書専門店に寄りました。 店内に入ると、清水敏史著『ブッダという男 ― 初期仏典を読み解く』(ちくま新書)と、馬場紀寿著『初期仏教 ― ブッダの思想をたどる』(岩波新書)が並んで平積みされていました。なかなか粋…