暑くはない、とつぶやく

 今シーズン、最も寒い日でした。急に冷え込みましたので、とても寒く感じます。

 こういうとき、ついつい「寒い、寒い」とつぶやきがちです。そのつぶやきを心中で「暑くはない」と言い換えて、少しでも寒さ、冷たさをしのぐようにできないか、と思いました。

「暑くは」

と、つぶやくときには、夏のとんでもない猛暑を一瞬、思い起こし、ごくごくわずかながら、その体感が呼び起こされて

「ない」

と、言って現実に引き戻されるのですが、ほんのごくわずかですけれども、夏の猛暑の体感が残る感じがあります。そのわずかなわずかな感覚のために比較的しのぎやすくなったような気がします。

 もう一つ、寒さ、冷たさをしのぐように思っているとき、なぜ不動明王さまが、ここに祀られているのだろうか、と思いました。背中に炎が燃え盛っています。この迦楼羅炎を盛んに燃えるようにするところに水の行の秘密があるように思います。

 そこに我欲の浄化のヒントがあるのかもしれません。