お経の説話

四人の妻を持つ男

あるところに四人の妻を持つ男がいた。 第一夫人は、夫が非常に寵愛し、寝ても起きても、家の外でも一度も離れたことがないほど親密であり、飲食も衣服もいつも妻の望むままに与え、夏は涼しく、冬は暖かくして、一度も諍いをしたことがないほどの仲であった…

月日をかじるネズミ

釈尊は、あるとき、次のようなたとえ話をされた。 「昔、広々と果てしのない草の生い茂った野原をとぼとぼと歩いている一人の旅人があった。ふと彼は自分の後ろのほうから異様な唸り声と足音を聞いた。驚いて振りかえると、はるか彼方から獰猛な大きな像が自…

大きな石を磨く男

昔、あるところに、とても大きな石を磨いている男がいた。 毎日、朝から晩まで、一日も休まず、せっせと石を磨きつづけている。 近所の人は、 「さぞ、すばらしいものができるにちがいない」 と、噂しあっていた。 しかし、やっとできあがったものを見ると、…