抱身(ほうしん)

 座って観想ばかりするのではなく、心の働きを強くしながら体も動かす訓練があります。

 前回は、観想で、ボールを放り投げるという意念のトレーニングを紹介しました。

 今回は、抱身(ほうしん)です。三円式ともいいます。

 自然体に立ち、足、腕、掌で三つの円をつくります。

 一つめの円は、足の爪先を八の字のようにして足で円をつくります。

 二つめの円は、腕を肩の高さに上げて、腕で丸く円を描きます。

 三つめの円は、円をつくった腕を上げたまま掌で円を描きます。指の爪の先をグーッと絞り込んで円を描きます。これを虎の爪といいます。

 足で一つの円、腕で一つの円、それから掌で一つの円、この三つの円をつくるので、三円式と呼ばれる所以です。

 この体勢で、両腕を大きくひろげます。

 直径何メートルもの大木を想像し、その大木を、吐く息とともに力を入れて抱え込みます。指の先、腕全体に力を入れて抱え込んでいきます。十分に抱え込んだら、ぐっと力をこめます。

 次に、吸う息とともに力を抜きます。息を吸いながら、腕をもとに戻していきます。

 息を吐きながら、吐いて吐ききるときにグッと指先の爪を立てていきます。力いっぱい指先の爪を、観想している大木の幹に立てていきます。足の爪先にもグッと力を入れ、体全体でギュッと力を入れ、息を吐き切ります。

 少し間を置いて、それから吸いながら力をゆるめます。

 これをくり返していきます。

 反対に、息を吐きながら力を抜き、息を吸いながら力を入れていくパターンもできます。

(DVD『実践・輪廻転生瞑想法Ⅱー理想の未来をつくる』より)

 全身で呼吸する感覚を掴む感じがします。

 息を吐きながら(あるいは息を吸いながら)、足の裏から、地のエネルギー(想像上の感覚ですが)を筋肉を通じていただき、手の指の「虎の爪」に流していく感覚があります。「踵の息・足心の息」を思い起こします。

 呼吸に集中し、呼吸と一体になっていく感じでしょうか。

 これもジョイフル瞑想とあわせて、爽快な気分にしていきます。